ウォーゲーム、シミュレーションゲームのあれこれ


by たかさわ

諸君はPnPゲーム経済を

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PnPゲームはついついお金を気にしてしまいます。紙のコンポーネント(本稿では「PnPじゃない」の意味でこう呼びます)であれば立派な体裁だったり、工作や製本の手間が要らなかったりするのに、あえてPnPを選ぶのは主に金銭的なメリットを求めたからのはずで、結果として紙のコンポーネントより多額の出費をしてしまうのはガッカリです。

例えば、僕のNATO Air CommanderのPnP費用はこんなでした。
  • ゲーム本体:1366円(12 USドル)
  • カードとマップの印刷:600円(コンビニプリント、A3カラー 6枚 × 100円)
  • コマの印刷:248円(アクセアでシール紙にカラープリント)
  • イラストボード:50円ぐらい(家にあったミューズのケント1.5mm厚をA5サイズぐらい切り出して使用)
合計2264円、約21ドルです。紙のコンポーネントだと本体が45ドルで、東京までの送料22ドルを加えるとしめて67ドル。うわ、やっぱり全然違うぞ、三倍以上だ。「PnPはお金を気にする」といいつつ、この計算をきちんとせずにいたところが甘いですね、まったく。

NATO Air Commander

Table Battlesのエクスパンションのようにお値段控えめの物件(本体20ドル+送料15ドル)では事情が若干変わってきます。差額が10ドルとかになってくると、工作の手間やコンポーネントの品質を考えると紙のコンポーネントを買ってもいいんじゃないか、とか。

もちろん、お金ではないメリット&デメリットもあって、そこを総合的に勘案して(またはそのときの気分で)PnPだったり紙だったりを購入するのではあります。PnPのメリットはこんな感じです。
  • 納期が短い(その日にだってプレイできる)
  • ルールのPDFが提供される(ここが非PnPなゲームとの大きな違いだと思う)
  • マップとコマの画像も提供される(これも結構大きい)
  • 箱のやり場に困らない(要らないと思いつつ、箱を捨てるのは抵抗があるのです)
  • データを紛失しても再度ダウンロードできる(提供元が存続していれば、ですが)
一方、紙のコンポーネントのメリット(=PnPのデメリット)ももちろんあります。
  • 工作不要(コマ数の多いゲームはこれ重要)
  • 美麗なコンポーネント(これは出版社によって違うと思いますが)
  • 大判の切れ目のないマップ(A2マップのプリントは1500円/枚とかです)
つまるところ、両方のいいとこ取りをするために紙のコンポーネントを買った上に、PDFや画像データを入手するためにPnPも購入したりするのかと考えて、ちょっとガッカリしているところです。

あんまり細かい計算はせずに、パーッと発注して工作して2~3回プレイして次に行く、というのがPnPの楽しさなのかもしれません。

# by gameape | 2019-01-06 11:57 | ウォーゲーム生活 | Comments(0)
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「東大安田講堂強襲」(ジブセイルゲームズ)が面白いです。Storm over Arnhemの続編としても、東大紛争をわかった気にさせてくれる歴史メディアとしても、非対称な勢力の紛争シミュレーションとしても、です。

ユニットの隠匿配置や、武装チットを隠し持つルールによるスリルとサスペンスも本作の魅力であろうと思います。ソロプレイしているだけなので、その辺の面白さは妄想の域を出ませんが、いつかそのうちに。

東大安田講堂強襲

多層構造の複雑な構築物として描かれる安田講堂をうまく把握できず、絵を描いたりしています。困ったことに、まだピンときていないのですが、拙宅の機動隊はまだ安田講堂に突入できていないので、突入するまでに安田講堂の仕組みを理解する所存です。

# by gameape | 2019-01-06 00:07 | 特定ゲーム | Comments(0)
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Harold BuchananさんがTwitterで「2018年に最もプレイした5作」をポストして、多くの人がそれに続いています。

これに乗っからないテはありませんので、僕の5作をコメントしました。

2018年はウォーゲームに触れている時間は例年どおり、または例年より多いくらいだったと思います。でも、人とプレイすることはほとんどなくて、気が向いたときに気が向いたゲームを雑にソロプレイする、というのを楽しみました。

対戦に備えてソロプレイしておこうとか、対戦できないからソロプレイで、とかではなくソロプレイしたくてソロプレイ。対戦もソロプレイも同じように(または違った面白さの)ウォーゲームの楽しみです。

  1. Atlanta is Ours:未プレイのシナリオはまだまだあるし、キャンペーンの対戦は失敗ばかりだったので、引き続きプレイしたい(すると思います)。
  2. Table Battles:面白くて楽しいゲームですが、こういうゲームばっかりプレイするようになったら困るな、という変な心配が頭によぎる不思議。
  3. Pub Battles Monmouth:対戦して面白さが見えてきました。旅団ユニットのバトルゲーとしては優秀なんじゃないでしょうか(まだ断言できない)。
  4. Supply Lines of the American Revolution:南部編に手を付けられぬまま年を越してしまいましたが、そもそもHollandspieleには「気になるけど未着手」が山積みなのです。
  5. Gaines's Mill (Tiny Battle):歩兵が複数ヘクス先を撃てる南北戦争ゲーはこのくらいの簡単さが適量なんじゃないかと思い始めています。

ゲームの良し悪し、好き嫌い、ではなく人とプレイした回数のランク付けです。ソリティアゲー(Skies Above the ReichとNATO Air Commander)は除外。アメリカ独立戦争が3作もあるのは我ながら「へぇ~」と思います。


# by gameape | 2019-01-05 14:47 | 節目 | Comments(0)
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※ 以下、映画「ブレードランナー」の内容に触れます。知りたくない方はご用心ください。

「ゲームの舞台は砂漠です。」
「砂漠?どこの砂漠だ?」
「どこかの砂漠です。仮想の話ですよ。」
「リビアか、エジプトか。チュニジア、アルジェリアかも」
「こことここに戦車がいます。」
「III号かIV号か。何型?長砲身なのか?」
「戦車はいずれも敵に背を向けています。」
「オレがそんな配置をしたっていうのか。」
「そういうシナリオなんです。」
「何を言ってる。オレがそんなことを」
「あなたが先手です。どうしますか。」
「こうするんだよ(銃声が響く!)」

。。。と小芝居はこの辺にして、ついに2019年です。現地から「2019年、ロサンゼルス」とTwitterする誘惑もありましたが、このポストは東京からです。

現実の2019年ではすでに機械が人間をチェスや将棋で負かすようになっていて、ウォーゲームも人間の対戦相手がいなくてもそこそこプレイできるようになりつつあります。この傾向は今後さらに進んでいくのでしょう。

僕が楽しみにしているのは、人間ではない知性が「ウォーゲームで勝利条件を達成する能力」じゃない部分を向上させていくことだったりします。WW2北アフリカのウォーゲームをプレイしながら「このドイツ軍の迂回機動はロンメルっぽくてシビれますね」などとコメントしてくれるような。

こちらが日々Google検索にどんなキーワードを入力して、どんな漢字を変換して、どんなページにどのくらい滞在しているかを知り得る立場にあります。インターネットにある膨大な知識と経験を総動員して臨んできます。こちらがコロっといってしまうような、素敵なコメントを紡ぐのは難しくないはず。

人間プレイヤーが顔をしかめるような極限状況的製品のプレイも、イヤな顔ひとつせずやってくれます。人間プレイヤー相手にやったら嫌われるようなプレイをしても、優しい態度で何度でも、何回でもつきあってくれるはずです。

「タカサワ君とプレイするよりコンピュータ相手の方がいい」

そう思われたとして、それは寂しいですが、人類と対戦することがウォーゲームの目的そのものではないとも思います。面白いウォーゲーム体験を実現するために、最良の手段が人類プレイヤーと対戦である。これまではそういう時期にあった、と。

年頭からひねくれた発言になってしまいました。冒頭の画像の3作、いずれも人類プレイヤーと対戦してみたいものばかりですので、機械、もとい、機会がありましたらぜひよろしくお願いいたします。今年もよろしくお付き合いください。

# by gameape | 2019-01-01 12:10 | 考えごと | Comments(0)

文字のありがたさ

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IMAX版の「2001年宇宙の旅」、すばらしかったです。満面の笑みで号泣しながら映画を観る体験のなんとすばらしいことか。以下、この映画に少しだけ触れますので、知りたくない方ご用心ください。

既に何度も観ていた映画ですが、IMAXの大きな画面で今まで気づいていなかった文字や記号をいくつか発見しました。宇宙船の船腹にソ連のマークがあったり、船外活動でAE35ユニットを置くところに「磁石」と書いてあったり。

圧倒的な映像で言葉に頼らずに語る映画だと思っていたので、書き文字で世界や設定や物語を説明しているのが意外でした。サイレント映画と似た手法なのかとも感じました。

シェナンドー・ナノ

で、ウォーゲームの話に移ります。あつかましくも、拙作「シェナンドー・ナノ」についてです。コマとしてナノブロックを使うというコンセプトがありましたので、コマに文字を入れられなくて、これが大変にもどかしかったです。

多くのウォーゲームがコマに文字やアイコンを使っていますが、これらが歴史的フレーバーや、微妙なユニットごとの強弱や、現実世界のいろいろな現象を表現する役割を担っているのだなと思いました。

よく「アナログのあたたかみ」といいますが、文字情報による豊かな描写は僕にとって「デジタルのあたたかみ」なんじゃないかな、とか。むしろアナログ表現にはある種の冷徹さのようなものを感じることがあります。

さて、「ウォーゲームだもの」2018年の記事はこれで終了です。最後の最後に自分のやったゲームデザインのマネごとを、銀河系史上最高の映画と並べるという図々しくもおめでたい記事をポストできて、もう思い残すことはありません。

# by gameape | 2018-12-31 22:24 | 考えごと | Comments(0)