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ウォーゲーム、シミュレーションゲームのあれこれ


by たかさわ
マップを額縁に入れるとバックギャモンっぽい_e0120077_13551984.jpg

「バックギャモンっぽさ」の基準には諸説あろうかと思います。Issy 1815(C3i magazine ♯32)のマップを額縁に入れたところ、コマやダイスを載せられる縁があって、食卓に載せられる程度の大きさに収まりました。僕はこれを見て「おお、バックギャモンっぽい」と思った次第。ダイスカップが欲しくなりました。

Battle of Issyをセブンプリント

もともとタブロイドサイズだったIssyのマップは、セブンイレブンのコピー機で、等倍でA3にプリントしています。タブロイドサイズはA3より縦が長いので、端っこにある地形凡例が収まりませんでした。縮小することも考えましたが、コマは現物を使うのでヘクスを縮めない方がよかろうとの判断です。

The Battle of Issy

コピーすることで色が若干変わってしまう、紙の質感が違う、律儀に折り目までコピーされている、などのツッコミどころはあります。でも、折り目がないマップができあがり、マップを汚したり傷めたりすることに遠慮がいらなくなります。粘着テープを貼っても、ピンを刺したりしても、オリジナルのコンポーネントは無傷のまま。収納するときも折らないままで、A3のクリアファイルに入れておきます。

IWATA A3額縁

額縁は1000円でおつりがくる安いやつです。A3もタブロイドも収まるサイズを探したのですが、近所のAEONにはこのサイズしかありませんでした。結果的にはA3サイズの額縁にしたことで、A3サイズにコピーしたマップがぴったりと収まり、マップの上に透明の板を置かなくても、マップをそれなりに固定することができました。折り目のないマップ、すばらしい。マップの上に透明の板を置かないので、照明や撮影者が映り込む心配もありません。

A3/タブロイド

プレイ中にコマを並べたまま移動することも難しくなく、縁があるのでうっかりコマを落としてしまうリスクも少なめ。カフェや新幹線や飛行機でプレイするにはちょっと大きいですが、家の中で部屋を移動したり、ちょっとした棚にそのまま収納しておくのは難しくありません。夕食後にリビングで1時間ぐらいウォーゲームして、寝る前に(比喩ではなく、ほんとうに)いったん棚に上げて、また翌日続きをプレイする、みたいに遊べます。

# by gameape | 2020-05-23 14:45 | ウォーゲーム用品
Red Devilsが思っていた以上に面白かった_e0120077_20522410.jpg

Paratroop(SPI)に入っている3作のひとつ「Red Devils」です。A3サイズのマップにコマが60個、ルールが5ページ弱のミニゲームでありつつも、臨機射撃や対戦車ユニットのルールが適度な歯ごたえで、「おお、これだよ、ウォーゲームは」という気分が盛り上がりました。

40年近く前(高校生でした)に何度かプレイして、面白いゲームだとは思っていました。でも、今回ソロプレイしてみて「思っていたよりはるかに面白い」と感じました。ひと握りのイギリス軍空挺部隊がアーネム市街に滑り込み、押し寄せるSS装甲部隊にどれだけ耐えきれるか。そういうゲームだと思っていましたが、違いました。

Red Devils

イギリス軍は目標ヘクスの支配と、ドイツ軍に与えた損害と、生き残ったイギリス軍の数で勝利ポイントを得点します。アーネムを制圧すればもちろんイギリス軍の勝利ですが、オースターベークを確保しつつそこそこの数のドイツ軍を壊滅させ、自軍ユニットをそこそこに生き残らせれば勝てます。

ドイツ軍からするとネーデルライン川北岸を制圧しつつ、自軍の損害をおさえつつ、イギリス軍をすり減らさなければなりません。マップは狭いけれど、どのあたりにどのぐらいの兵力をどのタイミングで投入するか、という決断が要求されます。マップ全域に分散すると、イギリス軍に局地的な優勢を与えてしまうのが悩ましい。

今回のプレイではドイツ軍がアーネム奪回に夢中になりすぎて、他のエリアで損害がじわじわと重なり、それなりに生き残ったイギリス軍が、アーネム以外で少なからぬ目標ヘクスを支配しました。ネーデル・ライン川の北岸で第30軍団を出迎えることができたのではないでしょうか。

Red Devils

自軍ユニットからより短い連絡線を設定できる側がそのヘクスを支配する、というルールが面白いです。よくある「自軍ユニットが存在しているヘクスを支配」とか、「自軍ユニットが最後に進入したヘクスを支配」というルールとは一味ちがうやり方で、マーカー不要でヘクス支配を表せる良いやり方だと思います。

このルールが他のゲームで使われている例がぱっと思いつかないのですが、実は大きな欠陥があるとか、Red Devils以外のゲームではうまく働かないとか、そういう事情があったりするんでしょうか。いいルールだと思うんだけどなぁ。

# by gameape | 2020-05-19 21:45 | ソロプレイ
ホーンブロワーの活躍、のはずが。。。_e0120077_22124149.jpg

Fighting Sail(SPI)のシナリオ「Beat to Quarter」をプレイしました。セシル・スコット・フォレスターの小説「パナマの死闘」で描かれる、リディア号とナティビダッド号の戦いです。ホーンブロワー艦長(主人公)の乗るリディア号はスピードとクルーで勝り、対するナティビダッド号は艦の規模で勝り、有利な風上でゲームを開始します。

「ホーンブロワーという帆船の艦長が主人公の面白い小説がある」という話は、高校生ぐらいのときにウォーゲーム仲間に教わりました。でも、読んだことがないまま50歳を過ぎてしまいました。何年か前にこの「Fighting Sail」を入手して、ホーンブロワーが出てくるシナリオがあるぞということで、ヒストリカルノートとして「パナマの死闘」を読みました。いまさらではありますが、非常に面白かったです。

Fighting Sail

勝負は(ゲーム内の)ちょうど1時間で決着しました。リディア号はウェアリングで反転して風上に向かい、ナティビダッドの風上に出たところで風下に向き直ります。その間、双方は複数回の砲撃をおこない、互いに2ヒットずつを相手に命中させます。そして、近づいてくるナティビダッドと直角に向き合う位置取りになったところが、上の画像です。

双方2ヒットの損害なのでボーディング(斬り込み)値はリディア号が2、ナティビダッド号が0。接舷して白兵戦にすれば、リディア号が6割以上の確率で敵艦を捕獲できます。対して、ナティビダッド号が勝つ可能性は約1割。スピードに勝るリディア号が先手を取って、正面からナティビダッド号にぶつかっていきました。

しかし、白兵戦のダイスはリディア号の2に対して、ナティビダッド号が6。主人公ホーンブロワーがまさかの捕虜になってしまう展開で「パナマの死闘」は幕を閉じることになってしまいました。

Fighting Sail

ゲーム全体を通じた双方の動きは上の画像のとおりです。ナティビダッド号は、リディア号から縦射されないよう注意しながら、距離をつめて射撃を繰り返すよう心掛けました。

一方のリディア号は、次の動きをどうするかをTwitterで募集しながらゲームを進めました。コメントをくださった皆さまにはお礼を申し上げます。非常に楽しくゲームを進めることができました。この「Play by Twitter(PBT)」形式のプレイを初めて試しましたが、ソロプレイで何をしていいかわからないときや、マンネリになってしまったゲームなどには、非常に有効な手法であるように感じています。

現在、N村さんがRed Storm(GMT Games)を、TOROさんがInvasive Species(One Small Step)をTwitter上でプレイしていますので、ぜひ参加してみてください。

# by gameape | 2020-04-14 23:53 | 電源必須系
多人数プレイは非対面が面白い_e0120077_22171106.jpg

引き続き、GCACWワールドシリーズの話です。ゲームの展開はひとつ前の記事で紹介しています。

スペインチームが8人で北軍を、日本チームが3人で南軍を受け持ちました。それぞれ1人が総司令官となり、残りのプレイヤーたちはその指揮下の将軍たちをプレイします。

多人数プレイの進め方は「Grant Takes Command」に選択ルールとして含まれていたルールとほぼ同じです。イニシアティブに勝った側の総司令官は指揮下の将軍1人を選び、選ばれた将軍は自分のユニットを活性化するか、他の将軍(または総司令官)にイニシアティブをゆずるかを決めます。自陣営がイニシアティブを持っている間、コミュニケーションは禁止です。

総司令官プレイヤーができるのは、イニシアティブのダイスをふり、誰が活性化するかを選ぶ。またはパスする。ごくたまに総突撃のダイスをふる。それだけです。それで面白いのか。これが非常に、ひっっじょうに、面白かったのでした。

活性化する将軍を選ぶと、その指揮下のユニットがちゃんと、人間がきちんと考えた動き方で動く。自分ですべてのユニットを動かす普通のウォーゲームとも、コンピュータがユニットを動かしてくれるゲームとも違うように感じました。

同じやり方の多人数プレイを対面でやったことはあります。それはそれで面白かったのですが、同じことを非対面でやってみて、印象が大きく違うなと思いました。僕は南軍の総司令官として、部下にイニシアティブを渡すときには不要かつ無謀な攻撃をしかけてしまうのではないかと心配し、渡さなかったときには部下がイラ立っているのではとハラハラする。対面なら得られる顔色や態度といった情報が伝わってこないゆえのスリルです。

Longstreetを担当してくださった(コマを動かす役回りだった)プレイヤーさんも、今回のゲームをTwitterで次のようにほめています。

昨日のGCACWワールドシリーズ。僕は Longstreet 担当だったけれど、Lee からイニシアティブを渡されて、その意図や狙いを汲み取ろうとしたり、分かんないからとにかく自分のやりたいことをやったりする判断がドキドキでワクワクでした。突撃時の指揮のダイスはこういうことを表現してるんだろなって。
@taku9113さんのTwitter

休憩兼作戦会議の時間にみんなで立てたプランが敵の行動によって半ば崩れてしまったあとも当初の目的に向かって手段を(言葉によらず、コマの動きで)協力して軌道修正していくのも、心地よいプレッシャーとおもしろさがあった。一陣営を複数人でやる方式はウォーゲーム界のブルーオーシャンじゃないか

対面でのプレイが悪いとか劣るとは思いませんが、ひとつの陣営を非対面の多人数がプレイすると、非常に面白くなる可能性がある、というのが今回のプレイに発見でした。VASSALがとてもよいツールであることと、通信環境(ソフトもハードもネットも)がいい感じに発達したことで、こういう形式のプレイをする機が熟したのだろうと思います。

ネガティブな要素も書いておきます。まず、プレイ時間は増えます。ざっくり1.5倍から2倍ぐらいになるようです。それから、北軍にはやることがあまりなかったプレイヤーがいたのではないかと思います。手持ちの部隊が敗走させられてしまったまま、最後までお付き合いくださった方には、感謝してもしきれない。楽しいゲームをありがとうございます。グラシアス。

GCACWシリーズを今回のようなスタイルで(でも、より競技性を重視して)プレイする次の企画が発表されています。4人以上のチームでの参加ということなので、あと1人を探さねば。We must strike them a blow、であります。

最後に、今回のGCACWシリーズのエンドロール。全プレイヤーとスタッフです。こうやって名前を並べるだけで、理由の説明しにくい高揚感があります。

Confederate Generals

Union Generals

Staff

# by gameape | 2020-04-08 21:54 | 電源必須系
第2次マナッサスの戦いを追体験_e0120077_15215509.jpg

Stonewall Jackson's Way 2のシナリオ「Bag The Whole Crowd」です。GCACWワールドシリーズで、南軍を3人のプレイヤーが受け持ち、僕は総司令官(Lee)の役割をプレイしました。VASSALを使ったネット越しのライブプレイで、ゲーム終了までに約5時間を要しました。

最初のイニシアティブを取った北軍にThoroughfare Gapを塞がれたものの、その北にあるギャップを抜けたLongstreetが北軍の左翼を包囲攻撃して敗走させ、南軍にとって非常によい滑り出しになりました。Hey MarketとGainesvilleの間に布陣している北軍は、左右両翼のどちらにも滑り込めるすき間があったので、「これは早い段階で南軍が勝ってしまうかも」と感じました。

Stonewall Jackson's Way II>

Jackson担当のプレイヤーは、北軍のPorterとBanksがどこに向かうかを心配していました。しかし、僕はPopeの主力を左右から包囲攻撃すれば、一気に勝負をつけられると考えました。Jacksonに攻撃を提案したところ、それに応える形でGainesvilleへの攻撃が成功。Popeを包囲する環がぐっとせばまります。

Stonewall Jackson's Way II

包囲攻撃の目標にするはずの北軍が次々とFlank Refusedになっていく中、PorterとBanksはGrovetonへと北進していきます。Jacksonがこれを巧みに包囲して攻撃、これが決定的な一打になるのかなと思いました。しかし、戦闘のダイスは北軍が5で南軍が1。立往生したJacksonを横目に、北軍は返す刀でTaliaferroを敗走させてしまい、Groveton周辺ががらあきになってしまいます。

Stonewall Jackson's Way II

できることの少なくなった南軍は最後のギャンブルに出ます。D.R. JonesがLeeとLongstreetとともに北軍の側面を迂回し、Grovetonに突撃。その少し後ろにはEvansを随伴させ、タクシーのようにLeeとLongstreetを連れて舞い戻ります。そして、Hey Marketに対する最後の突撃でチェックメイト。Grovetonの突撃には、Stuartの騎兵を後方に回り込ませます。

イニシアティブを取られてしまい、北軍が先にGrovetonの周囲を固めてしまうアクシデントがあったものの、D.R. Jonesは正面突撃で見事にGrovetonを奪回します。しかし、南軍のがんばりもここまで。北軍はGrovetonのD.R. Jonesを次々と取り囲み、対抗できる南軍はJacksonの1個師団だけという状態。

ここで両軍の協議があり、Grovetonに対する北軍の突撃の直前でゲームを終了となりました。この時点の勝利ポイントでは北軍の実質的勝利。ゲームを続ければ北軍がGrovetonを取り返して、決定的勝利となったように思います。いずれにせよ、北軍の勝利は間違いありません。

振り返ってみると、Hey MarketとGainesvilleの間に、両方の側面にスキを作って布陣したのは、北軍の罠だったのかもしれません。南軍はここを主戦場にしてしまった結果、最も勝利ポイントの高いGrovetonに投入できる兵力が足りなくなってしまいました。

このシナリオのタイトルは、「we shall bag the whole crowd」というPopeの発言に由来します。今回のプレイでは逆の立場にあるはずの僕が、「北軍を一網打尽にして圧勝できる」と考えてしまい、史実におけるPopeと似たような形で負けてしまったことになります。

ゲームに負けて喜ぶのは礼を欠く態度かもしれませんが、第2次マナッサスの戦いのけるPopeの体験を追体験できてしまったことは、大変においしいプレイだったんだよなぁ、かなりうれしく感じているのであります。

# by gameape | 2020-04-05 18:17 | 対戦