タイトルを見て「いいね」と思ってくださった方、ありがとうございます。自分でもとてもよいタイトルだと思っているのですが、思いついてから1年以上放置してしまい、気がつけばあと3日で「アクロス26エイプリルズ」。矢の如しです。
Across Five Aprils(1992年出版)は単純かつオーソドックスなウォーゲームに見えて、実は独特の味わいを持っています。その大きな要因は戦闘フェイズのタイミングを(移動と同じように)カップから引いたチットで決めることと、戦闘がマストアタックであること。チット引き活性化のゲームは数多く出ていますが、この様式のものはあまりない印象です。
ターンの初期に自軍の戦闘チットが引かれた場合、その後はそこそこの戦力を敵に隣接させさえすれば、敵の戦闘チットが引かれたときに敵は自発的に退却してくれます(しかも戦闘後前進までできる)。戦力で劣る部隊がイケイケで敵にぶつかっていく展開はこのゲームならではの光景かもしれません。
戦闘チットがゲームに与える影響が大きすぎる。チットの順番をみっちり考慮して作戦を考え、チットが引かれるたびにそれを修整していくのは大変である。そんな感じでこのゲームを面白くない、Not for Meだと考えるプレイヤーさんは少なからずいらっしゃるんでしょう。ゆえに「戦闘チットでマストアタック」は出版から25年の歳月を経た今日において、チット引き活性化ゲームのスタンダードにならなかった、と。
それでもなおAcross Five Aprilsは面白くて、このシステムでアンティータムやチカマウガが出てくれないものかなぁ、とぼんやり考えます。後継者である「The Tide Turns」や「Clash of Giants 3」も面白いんですが、そっちはそっちでこっちはこっち。多様性こそ紙のウォーゲームの大きな楽しみじゃあありませんか。