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ウォーゲーム、シミュレーションゲームのあれこれ


by たかさわ

Movement Allowanceはどこからきたか

裏は取っていないけれど、「Allowance」には「使ってよい、使い切らなくてもよい」というニュアンスがあるのではと思う。でも、「Movement Allowance」の訳語にそれを含めようすると、長くなったり言い慣れない訳語になってしまう。

一方で「移動力」は概ね正しい意味なのだろうけど、「Combat Strength」が「戦闘力」で「Movement Allowance」が「移動力」になったりして、意味の異なる2つの単語がどちらも「力」になってしまう残念さ。

そもそも「Movement Allowance」は何に由来する熟語なのか。軍事用語か。ウォーゲーム以前のより古いゲームからの流用か。Googleで検索するとウォーゲームやそれ以降のゲーム(Magic the Gatheringとか)に関連しそうなページが多く表示される印象。

Stalingrad

Avalon Hillの「Stalingrad」では「Movement Factor」が使われている(上の画像)。もしかして「Movement Allowance」はより新しい用語で、それがウォーゲーム界に広がっていったのかもと思い、家にあるゲームをいくつか調べてみた。

Fortress Europa

Avalon Hillの「Squad Leader」(1977)と「Fortress Europa」(1978、上の画像)はどちらも「Movement Factor」。

Panzer 44

SPIの「American Revolution」(1972)、「Panzer 44」(1975、上の画像)、「Blue & Grey」(1975)はいずれも「Movement Allowance」。「Allowance」と「Factor」はそれなりに長い期間並存し続けている模様。

もしかして会社によって違うのか。はたまた、Redmond Simonsenが「Allowance」推しだったとか。GDWやOSGはどうなのか。TSRやChaosiumのようなファンタジー方面は。などと他のゲームをさらに調べるほどの重要な話題ではないので、今日のところはこの辺でおしまい。いろいろなゲームのルールブックをチラ見して楽しかった。

なお、Google「画像」検索で「Allowance」を入れると「お小遣い」を想起させる画像がどっさり表示される。案外、「Movement Allowance」は「ターンごとにもらえる移動ポイントのお小遣い」という意味の、ウォーゲームのために作られた熟語だったりするのかもしれない。

以下、本題からは外れる話。

先の記事に「Movement Allowance」によい訳語がないと書いた。過去にウォーゲームの記事を訳したり、作文したりしてきた人たちへの敬意を欠いていて、よくない態度だったと後悔している。誰かに指摘されたとか、反論されたとかではないけれど、あの書き方は失敗。
by gameape | 2015-09-21 00:30 | 考えごと