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ウォーゲーム、シミュレーションゲームのあれこれ


by たかさわ

Western Front Tank Leaderの上級ゲームシナリオを眺める

Western Front Tank Leader(というかHJが出版した「タンクリーダー」)をプレイする予定ができたので、ルールを読んだり、マップにユニットを並べたりしてゲームと戯れています。行動するユニットをカードを使って決めていくシステムは、チット引きシステムほど無作為ではないけれど、プレイヤーが好きなフォーメーションを選んで行動させるシステムほどプレイヤーの自由度が高くないように思えて、なかなか面白いのではないかと感じています。

このゲームには戦車だけを使う「基本ゲームシナリオ」と、砲兵や歩兵なども登場する「上級ゲームシナリオ」があるのですが、いまのところ後者をプレイする予定です。そこで、10本ある上級ゲームシナリオそれぞれの両軍の兵力を眺めながら、どのシナリオがいいかをあれこれ考えてみることにしました。

Western Front Tank Leader - A1 - Incoming!

Western Front Tank Leader - A1 - Incoming!

上げ潮(Incoming!):
1944年、アメリカ vs ドイツ、20ターン、マップ縦つなぎ(2枚のマップの短辺をつなげた横長マップ)。

ゲームに入っているアメリカ軍のほとんどを使うという大規模なシナリオを最初に持ってきてしまっています。ノルマンディ(でも、タイトルから連想してしまうような海岸での戦闘ではありません)のシナリオということで、西部戦線の最初に持ってきたい気持ちもわかりますが、「まずは順番にプレイしてみよう」とトライして挫折したプレイヤーがいなかったか心配です。

長さ20ターン、ドイツ軍には防御施設あり、などなど、プレイヤーの負担も大きそうなので、初めてプレイするシナリオとして選ぶのは避けたほうがよさそうに思います。一度はプレイしてみたいと思わないではないですが。。。

Western Front Tank Leader - A2 - Aracourt

回廊(Arracourt):
1944年、アメリカ vs ドイツ、16ターン、マップ2枚。

原題のとおり、アラクールの戦いが題材になっているのだと思います。マップが広くてユニットが少ないところや、規模の大きい攻撃側と少数精鋭の防御側という状況は僕の好みに合いそうです。また、アメリカ軍にコマンドとペアレントがきちんと含まれているところも高得点。しかし、ドイツ軍が隠匿配置であるところが初めてのプレイに使うシナリオとしてイマイチに思えます。ドイツ軍に歩兵がいないところも減点材料です。

Western Front Tank Leader - A3 - Meat Grinder

肉挽き機(Meat Grinder):
1945年、アメリカ vs ドイツ、12ターン、マップ1枚。

両軍ともに歩兵中心の配置で始まり、防御側のドイツ軍が戦車の増援を、攻撃側のアメリカ軍は機械化された歩兵の増援を受け取る展開のようです。序盤はコマンドとペアレントを持つアメリカ軍の方がC3が高いので両軍が攻撃できるのかもしれません。両軍ともに歩兵中心なのでダイナミックな移動があるのか心配ですが、ちょっと気になるシナリオではあります。

ただ、ドイツ軍に防御施設があるのがちょっと面倒くさかったりします(特に地雷が。。。)。このゲームに限らず、防御施設の登場する戦術級ゲームに軽い気後れを感じるのは僕だけでしょうか。。。

Western Front Tank Leader - A4 - Hammer And Anvil

鉄槌と金床(Hammer And Anvil):
1944年、イギリス vs ドイツ、15ターン、マップ1枚。

イギリス軍の歩兵1個大体と戦車1個中隊に対するドイツ軍の戦車1個大隊による攻撃で始まり、イギリス軍の戦車1個大隊が(西部劇の騎兵隊のように(推定))来援するシナリオのようです。ドイツ軍はイギリス軍を撃破しないと勝てないので、序盤に攻撃して稼ぐのか、長期戦に持ち込むのかの判断を楽しめるかもしれません。

ペアレントフォーメーションがあったり、大隊の指揮範囲があったりするアメリカ軍に比べると、イギリス軍はドイツ軍との差異が少ないので「異質な軍隊の衝突」というウマ味は薄いのかもしれません。また、せっかくマップ2枚を広げられるスペースがあるのにマップ1枚のシナリオをやるのはちょっともったいなかったりします。

Western Front Tank Leader - A5 - Clearing Action In The Ruhr

ルール掃討戦(Clearing Action In The Ruhr):
1945年、アメリカ vs ドイツ、16ターン、マップ1枚。

ドイツ軍に防御施設があるのはマイナスですが、C3能力に勝るアメリカ軍戦車が「ハンティングタイガー」5号駆逐戦車(「ロンメル」ですよ!)と戦う状況は、小林源文マンガの「こちらドーラ1、足を狙え!」というコマを連想して体温が上がります(アチラは3号戦車とKVでしたが)。マップが1枚だったり、カードの読み替え(「額面上は同じ指揮系統にないけれど、同じ指揮系統に属するものとして扱う」)があるなど、気になる点はいくつかありますが、補って余りある面白さを期待できます。

(10/9 13時ごろに追記。「ハンティングタイガー」が登場するのはより後のシナリオ「サリーヌ襲撃」でしたので訂正しました)

結構なボリュームになってしまったので、残り5本は後編として掲載したいと思います(まだ書いてませんが。。。)。
by gameape | 2011-10-09 12:01