ウォーゲームでプレイヤーが求められるべき能力をD&Dから考えてみる
2011年 01月 02日
ゲームを遊ぶといったとき、我々はいったい何をしているのだろう。以上、a-gameかわら版の「野獣げぇまあ<その30>」から引用。
ここで我々はしばしば、ゲーム中に計算や推理、計画といった知的操作を想像する。場合によっては身体的能力が問われることもあるし、プランニングと身体能力の連携が問われる場合もあるーアナログゲームに限って言えば、身体能力を問われるケースはあまり多くはないが、まったくないとも言えない(トランプの「スピード」や、各種アクション系のユーロゲームなど)。
ウォーゲームにおいてプレイヤーはどんな能力を問われるべきか?
または、どんな能力を問われるウォーゲームを自分は好きなのか?
そんなことを時々考えていたので、冒頭に引用した「野獣げぇまあ」の一節がとても響いた。
でも、自分の考えをうまくまとめることができないなぁ、と思っていた。
そんなところにD&Dの赤箱(ベーシックセット、ですよね)が再販されるという話をネットでしばしば見るようになった。
で、ふと思いついた。
「ウォーゲームにおいて問われる能力をD&Dの能力値で考えてみたらどうなるか」
D&Dの能力値は次の6種類だったと記憶している。
・筋力(STR=Strength)
・機敏さ、器用さ(DEX=Dexterity)
・体力、耐久力(CON=Constitution)
・知力、IQ(INT=Intelligence)
・知恵(WIS=Wisdom)
・カリスマ(CHA=Charisma)
冒頭の引用と同様、ウォーゲームでは身体的能力よりは知的な能力が要求されることが多い。
腕相撲のように、筋力が強いプレイヤーが有利、とか
トランプの「スピード」のように、よりすばやく動かした方が勝ち、とか
マラソンのように、持久力がモノをいう、とか
そういう方向のウォーゲームはあんまりないように思う。
例外として、空戦ゲームにおいてプレイヤーのDEXが要求されるべきか、というのがある。
この問いに対する僕の答えは基本的に「No」。
プレイヤーのDEXの高低や、DEXが影響するような要素の鍛錬具合が展開に影響するウォーゲームよりは、それらの要素が影響しないシステムで空戦ゲームをプレイしたいな、と考える。
(それゆえにPCを使ったフライトシミュレータがあれば、ボードの空戦ゲームはいらない、という考えには同意できないのであります)
INTやWISを問われるウォーゲームは多い。
多くのウォーゲーマーはINTやWISを要求するウォーゲームが好き、と言い換えてもいいんじゃないかと思ったりする。
とはいえ、INTとWISはもう少し掘り下げて考えられる、とも思う。
例えば、知力が勝敗に影響するゲームとして「神経衰弱」がある。
僕は「神経衰弱」のように記憶力の優劣が展開に影響するウォーゲームは基本的に苦手である。
どのダミーマーカーがどの部隊であったかを記憶するとか、
残りカードの枚数を記憶するとか、
そういう作業は疲れる割に僕の考える「ウォーゲームっぽさ」とマッチしない。
複雑かつ直感的に理解しにくいルールをどれだけ覚えられるかが勝敗に影響するゲームも困るなぁ。。。
そんな訳で、一口にINTと言っても、頭の回転の速さとか発想の柔軟性とかそういう要素が展開に影響するウォーゲームが好き、ということになるんだと思う。
WISについてはどうか。
過去にプレイしたウォーゲームで得た知識や知恵だったり、歴史だったり軍事的知識だったりを応用することで展開が有利になるウォーゲームは面白いと思う。
ゲームや戦争に限らず、例えば仕事や家庭でした経験がウォーゲームのプレイに影響したりするのも面白そう。
一方で「ゲーム的」と言われてしまいそうなテクニックの蓄積の多さが展開に過剰に影響してしまうウォーゲームがあるとしたら、ちょっと二の足を踏んじゃう感じもする。
そういう方向性を否定するつもりはないんだけれど、ちょっと用心して近寄るようにしましょう、と言ったところか。
ウォーゲームが題材にしている実際の戦争などにおいて、指揮官たちはD&Dの6つの能力すべてを何かしらの形で要求されるのかもしれない。
で、ウォーゲーマーである僕はその中からINTとWISの一部以外をうまく薄めたり、切り取ってたりしたものをウォーゲームとして楽しみたいと思っている、ということなんだろう。
最後に、カリスマの優劣が展開に影響するゲームって、ウォーゲームに限らず何かあるんだろうか。。。