ウォーゲームのウォー
2010年 08月 19日
常にではないけれど、ときどきそんなことを考える。
マップ上にコマが並び、それが動く楽しさ。
メリットとデメリットを天秤にかけて決断する面白さ。
そういったものたちは、ウォーゲームからウォーを取り除いたとしても残ると思う。
プレイヤーは自分の手番に好きなだけ自分のコマを動かせる。
相手プレイヤーのコマがあるヘクスには入れないが、隣接ヘクスにコマを動して、相手のコマを立ち退かせたり、ゲームから取り除いたりできる。
三角のコマは早く移動できず、戦力も弱いけど、数がある。
丸のコマは強くて早いけど数がない。
赤いヘクスは容易に移動できるけれど、そこで守ると弱くなる。
青いヘクスは進入するのは大変だけれど、そこで守ると強くなる。
両プレイヤーが交互に自分の手番をおこない、これを7回繰り返す。
その時点でマップ上にある黄色いヘクスをより多く持っているプレイヤーが勝つ。
そういうゲーム(でもウォーゲームじゃないゲーム)ってどんなもんだろう。
僕は基本的に多くのウォーゲームに備えられている「現実の戦争を想起させる因子」が好きだ。
それは「三角のコマ」ではなく「歩兵ユニット」という呼び名であったり、
「青いヘクス」ではなく「山岳ヘクス」であったり、
ヘクスに書かれた地名であったり、
「独ソ開戦から1週間の戦闘をシミュレートする」という呪文であったり、
そういったものである。
囲碁やチェスや将棋のように、戦争をより抽象化したゲームや、
戦争を想起させようという製作者の意図をそれほど感じさせないゲームを、
面白くないと思わないではないのだけれど、プレイのための時間や気力をどうわりふるかという優先順位付けにおいて、ウォーゲームをついつい優先してしまう。
優先順位が低いというのは、劣っているとか悪いとかではなく、本当に文字通り、時間や気力の投入先としての優先順位が上に来ないだけであることが多い。
時間も気力も困ってしまうほど少ないのである。